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60代女性 歯肉が黒ずんでいる上の前歯4本をガラスセラミック製の被せ物で修復した症例

治療前

治療前

右上の前歯(側切歯/2番)は被せ物の下で折れているため、仮修復している状態です

治療後

治療後

年齢と性別 60代 女性
ご相談内容 「10数年前に入れた被せ物の縁が黒ずんでいて気になる」とご相談いただきました。
カウンセリング・診断結果 拝見したところ、上の前歯4本には、金属フレームの表面にプラスチックを貼りつけた被せ物「硬質レジン前装冠」が装着されていましたが、そのうちの3本は治療当初よりも歯肉が退縮し歯根が露出していました。

また、露出している歯根と被せ物の段差には虫歯が生じており、さらに硬質レジン前装冠の金属が溶け出したことで被せ物との境目の歯肉が黒ずんでいる状態でした。加えて、右上の前歯(側切歯)は折れてしまっています。

虫歯や折れた歯を放置したままにすると、虫歯が進行して痛みが出たり、歯の神経にまで虫歯菌が感染して歯を抜いたりするおそれがあります。

そのため、前歯4本の内部を掃除して清潔にしたあと薬を詰める「根管治療」と、被せ物を作り直す必要があると診断しました。
行ったご提案・治療内容 前歯4本は根管治療を行う必要があることをお伝えし、その後の修復方法として以下を提案しました。

①前回と同じ硬質レジン前装冠、もしくはプラスチックとセラミックを混ぜ合わせた白い被せ物「CAD/CAM冠」による修復
どちらも保険治療のため費用を抑えることが可能です。しかし、硬質レジン前装冠は一部がプラスチック製のため、経年劣化による変色が起こりやすいという特徴があります。
また、金属フレームによる金属アレルギーを引き起こす可能性や歯肉が再び黒ずむおそれもあります。
一方、CAD/CAM冠は再現できる色合いが単調で透明感が低い傾向にあり、食いしばりや歯ぎしりによって割れる可能性があります。

②天然歯と同じ強度があり自然な白さを再現できる「オールセラミック」の中でも、審美性と耐久性に優れたガラスセラミック製の被せ物「e.max」による修復
自由診療のため保険診療よりも費用が高くなる傾向にあるものの、歯ぐきにぴったりとフィットして隙間が生じにくい特徴があります。また、虫歯のリスクも抑えられ、透明感のある自然な見た目に仕上げることが可能です。

それぞれのメリット・デメリットを写真などを用いて丁寧に説明したところ、患者様は「できるだけ歯ぐきと被せ物の境目が黒くならず、変色しにくい被せ物がいい」との理由から、②のe.maxによる修復を選択されました。

まず古い被せ物を取り除き仮歯に置き換えたあと、神経が通っている前歯4本の中をしっかり清掃・消毒し、歯の根っこ部分に生じた虫歯を除去しています。

次に被せ物を装着するため、しなやかで耐久性のある「ファイバーポストコア」で土台を作製し、慎重に形を整え、仮歯と歯肉の境目がぴったりと合うまで経過を観察しました。
仮歯の形が歯肉に適合すると、その縁に沿って歯肉の形が理想的に変化します。

約6ヶ月後、仮歯と歯肉の境目がぴったりと合っていることを確認してから、最終的な被せ物を作製するための型どりを行い、完成したe.maxを前歯4本に装着し、治療を終了しました。
治療期間 約7ヶ月
おおよその費用 310,000円
治療のリスクについて ・まれに根管治療後も再治療、外科手術、抜歯などの処置が必要となる場合があります
・治療中や治療後に不快症状が出たり、治療後に痛みや腫れなどが生じたりする可能性があります
・装着に際し、天然歯を削る必要があります
・硬い素材の場合、他の天然歯を傷つけることがあります
・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、セラミックが割れる可能性があります
・一部の治療を除き、自費診療(保険適用外治療)です

治療中

治療中-画像

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